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ネタ

二人して補習
相手は居眠り、自分は遅刻。
高校生設定


「くっそー、何で起こしてくれなかったんだよ…」

今現在、私は放課後の教室で補習をうけている。原因は…遅刻。(起きたら、一限が始まっていた)。
家が学校から近いので、幸いにも二限には間に合った。が、一限は厳しいと評判の牧井先生。昼休みに呼び出された挙げ句、放課後に補習を受けているのだ。
ちなみに、数式と格闘中。大嫌いな数学をやらなきゃならないなんて…最悪。

「………」

ついでに言うと、さっきから向けられる視線も気になるわけで。当の本人は何食わぬ顔でプリントを仕上げ、私の様子を見ている。

「ああーもう、訳わかんない!」
「………」
「…あのさ、さっきからなんなの?」
「いや、暇だから見てるだけ。面白いし」

ああ、そうですか、面白いですか。暇って何だよ、こっちは必死こいて解いてんのに…

「その様子だと終わりそうに無いな…と思いながら」
「終わったなら提出しに行けば?てか、何であんたが補習受けてんのよ」
「授業中寝過ぎだって怒られた。教科書読んだらわかるから、別に良いかと」

そういえばこいつ、数学の時は毎回寝てたような…ってか、教科書読んでわかるとか、どんだけ頭良いんだよ…!
…イヤミか!イヤミなのか!?

「てか、あいつの説明、逆にわかんないし。教科書の方がわかる」
「へえ…ならさ、教えてくれない?」
「別に良いけど?」

内心私はガッツポーズをとった。これでこのプリントから解放されると思ったから。

………更に一時間経過。

「すごい、わかりやすい…」
「だろ?あいつは、簡単なことを難しく言ってるんだって。そのくせ偉そうに威張るから授業受ける気失せるわけ」
「ああ、だから寝てるのか」
「ほら、あと一問、ラストやるよ」

なんだか、コイツの教え方上手すぎて先生哀れ…。
こうしてプリントを何とか終わらせることが出来た…のだが。

「やった、終わった…ヤバい嬉しい」
「そう、良かったね」
「マジありがとう…!そう言えばさ、数学以外で得意な科目ってあるの?」
「…っていうかさ、数学得意じゃないし。あとは普通」

………あたしより点数取ってるくせに苦手とな!?
これはあれか?…イヤミか!イヤミなのか!?(あれ?デジャヴが…)

「…いやいやいやいや、こんだけ出来て数学苦手って…」
「数学って論理的に考えるだろ?俺は直感だから、教科書読んで裏付け取ってるだけだよ」
「あーそれわかる。あたしも直感かな?わかるとこはわかるし」
「へぇ…ところで、教えるのって今日だけだよな?」

ああ、ちょっと惜しいかも…
数学いつも破滅的にヤバいしなぁ…赤点いかないのが奇跡だしなぁ…
けど、いつも聞くのは悪いし…

「…うん、いいよ。今日だけで。助かったし」
「あっそ。んじゃ、提出して帰るとするか」
「うん」

職員室に向かう道すがら、お互いに知らないことを話し合った。
思えば、こいつと話す事はあまりない。
だから、私はこいつの事をあまり知らないわけで…
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