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尻尾抱いて寝るカイジ

カイジ視点

冬朝。
肌寒く、コートを着ていても寒いこの季節、時間。
バイトから帰宅中の俺は、疲れていた。
いや、いつも疲れるんだが、特に今日はいろいろあって疲れた。
とにかく俺は、早く寝たかった。

「ただいま」

家に帰って最初に言う言葉。今まで言わなかったが…最近、居候ができたお陰で、癖になってしまった。

「お帰りカイジさん」
「とりあえず、風呂入りたい」
「もう出来てるよ」
「おう、さんきゅ」

居候には何かと気を使うが、逆に気を利かせてくれる事がある。
特に、今みたいな時は本当に助かる。
風呂に入って頭と身体を洗い、湯船で温まると眠気が押し寄せてきた。慌てて風呂から出ると、着替えて部屋に向かう。
日が昇り、世間ではこれから仕事が始まる時間だ。
しげるは俺の部屋にいた。一番日当たりが良いのが俺の部屋だからだ。最近知った事実だが、どうやらしげるはひなたぼっこが好きらしい。
(猫みたいに尻尾をパタパタさせてるときは機嫌が良いのだということも、つい最近知った)

「カイジさん、ご飯は?」
「あー…眠いから一寝入りしてからだな」

それにしても、しげるの尻尾は温かそうだ。ふさふさのもふもふ、抱き枕にしたら大層心地良く眠れるのだろう…と想像した。事実、しげるは丸まって寝ては自身の尻尾を抱いている。
試しに触ってみると、思った以上に心地良かった。

「カイジさん、尻尾」
「あー…温い…気持ちいい…」
(全く、この人は…)

そしていつの間にか、俺はしげるの尻尾を抱き枕にして眠っていた。



しげる視点

俺はそのまま別の尻尾をカイジさんにかける。
カイジさんは俺の尻尾が気に入ったと覚えた俺は、まさかこんな日が来るとは思ってなかった為、内心嬉しくてしょうがない。
今までは俺の尻尾は恐怖の象徴のようなもので、誰も触るどころか近寄ることさえしなかった。

そして、あの日以来、カイジさんは事あるごとに尻尾を触ってくる。
俺も触られるのが好きなので、放っているが…偶にくすぐったくて我慢できない時がある。
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