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夢ネタ、序章

私は、貴方を護り抜きたい
(たとえ、貴方が私を必要としていなくとも)

私は、貴方を信じ続けたい
(たとえ、貴方が私を信じていなくとも)

私は、貴方を愛し続けたい
(たとえ、貴方が私を愛していなくとも)

私は、貴方を―――

―――生まれて初めて、死んでも良いと思える、恋を、した。
その代償は、とてもとても重かったけど。
それでも、後悔なんかしてない。
だって、貴方は教えてくれた。
人を愛することを。
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カーテンネタ

夏。
日当たりの良いカイジの部屋は、昼間は気温が上がる。窓を開けても外の気温とさして変わらないため、あまり意味がない。そして、扇風機もない。カイジの部屋には手動で風を起こす団扇しかないのだ。しかも、風通りは良くないため、夜になっても暑い。
カーテンが無いのも原因の一つだ。
せめて日除けのカーテンさえあれば…と常々思ってはいるのだが、バイト代は生活費に回る為余裕がなかった。
今までは我慢すれば済む話…と流していたが、同居人が増えた今はそうもいかないらしい。

「ねえカイジさん、何でカーテン無いの?」
「…簡潔に言う。金がない」
「そこまで言い切ると、いっそ清々しい…わかった、買いに行こう」
「だから、金がないっての」
「そんなの、稼げばいいんでしょ?」

アカギは簡単に言うが、カイジには信じられなかった。
その金を稼ぐために苦労してバイトしているのだ。

「簡単に言うけどな…金を稼ぐことがどれほど大変な事だか、わかってんのか?」
「稼ぐって大変な事なの?」
「お前…」

カイジは、へなへなとその場に崩れ落ちた。

(いやまてよ…考えてみれば、しげるはモンスターなんだよな…ってことは、あいつらに捕まる前は野生だった訳だ…野草とか食ってたのか?草食には見えなくもないが…肉食?寧ろ雑食っぽいな…じゃなくて、しげるにとって金は必要なかった訳だし…いやでも、あいつら見るからにヤクザだし…金は知ってても稼ぐ事は知らない…)
「(行って見せた方が早いかな…?)カイジさん、出掛けよう」
「え、どこに?」
「雀荘」
「…はあ!?」
「良いから付いてきてよ。で、見てて」

そうしてしげるはカイジを雀荘に引っ張って行く。カイジの家から一番近い雀荘に行くと、早速しげるは麻雀を始めた。
そして、ものの数十分で稼いだ。いや、毟ったと言った方が正しいかもしれない。だが、それだけでは足りないようだ…。

「倍プッシュだ」

その言葉には対戦相手だけでなくカイジも驚いた。

「……!もう良いから、帰るぞ!」

これ以上は居たたまれないとばかりに足早に雀荘を出るカイジ。しげるは毟った金を掴むと、置いて行かれないように急いで外に出た。

「…もうちょっと毟れたんだけどな、残念」
「お前な…!」
「とりあえず、これだけあればカーテン買える?」
「…そうだな、充分だ(何だか疲れた…)」

家具店に向かう道すがら、微笑ましい?会話を交わす二人。

「カーテン代の残りはカイジさん使ってね」
「…いやいや、気持ちは嬉しいけどよ、これはしげるが稼いだ金だろ?」
「これから俺はカイジさんに世話になるわけだし。家賃だと思えば良い。それに、いつでも稼げるし。第一、ギリギリ一人暮らし出来る稼ぎで、これから俺と暮らしていけるなんて思ってないよね」
「(…最後ら辺は何か刺さったな)そうか、それじゃ有り難く貰っとく」

ようやく店に着くと、薄いカーテンと遮光カーテンを購入。薄い方は、あいつらはでかい組織だから下っ端にカイジさんを見張らせるのも簡単に出来るよ…と言うしげるの助言で追加した物だ。外から覗かれるのはあまり良い気はしない。
家に帰って早速カーテンを取り付けた。

ヘタリア語り

萌がヤバいので語らせてもらう。

→プロイセン(ギルベルト・バイルシュミット)
不憫だ言われるけど格好いいギルも不憫なギルも全部好きだ。不憫なギルはいじられたりするけど最終的に皆に愛されてるし、格好いいギルは全力で(俺が)愛す。小鳥もセットむしろ一心同体。歴史が既にヤバい、何だよ戦うために生まれた国を持つ騎士団とか、昔は荒れてたなーって回想じゃ済まない。その後ロシアの飛び地になったりとか思い出すあたりはシリアス。でもルッツ育てて丸くなってればいい(いやツンツンも好きだけど)。消失フラグ有るのも良いよなぁ…何でも有りじゃね?さすが俺様。本家クリスマスごちそうさまです。あと本家クソゲーもとい神ゲー素敵すギル。そしてウサギル可愛いすギルぜ。好きになった相手によって手が早いか奥手かは変わるが、相手いじめた奴は容赦しない、腹黒だと良い。そんな妄想。

→スペイン(アントーニョ・ヘルナンデス・カリエド)
トーニョはもう、無敵のバルチック辺りは俺様的な感じで格好いいのに、最近のマイペースとふそそそその癒やしもしっかり持ってるあたりが良いよなぁ。でも何かあるとキレる黒分、マジうまい。トマトか内職かシエスタか海賊か黒分っていう選択肢がまた何とも言えない。でも笑顔の裏で腹黒っていう妄想が止まらない。マタドール着てる親分かっこ良すぎて鼻血止まらんマジであの腰と言いケツと言い萌え殺す気かって位ヤバい。海賊時代のハルバード持って髪縛ってるあの親分ヤバいあんなに生き生きしてるの見るだけでこっちまで元気になる。あの親分に一緒に付いていって黒分っぷりを堪能したい。ちび分にふそそそしてもらうのも良い。あれこそ癒やしだよな笑顔でふそそそってされたら萌え殺される気がする。ああでも普通に親分とトマト育てながら内職しながらシェスタ取りつつ偶にはチュロス作って一緒に食べたりしながら暮らすのも悪くないよなぁ。恋愛事情はすげー鈍感。相手からの好意は気付かないか友達止まりだと思ってるし自分の気持ちは気付かないか隠し通す。でも相手いじめた奴は容赦しない、黒分。そんな妄想。

→フランス(フランシス・ボヌフォワ)
皆に愛されてるけど、やっぱ変態は外せない。本家でもバラ一輪だったりするし…エイプリルフールはGJとしか言えねぇ…皆この人に暖かく見守られてれば良い。居ても居なくとも不安になる兄ちゃん乙。恋愛事情には人一倍敏感だけど気紛れだから見てるだけ。偶に焦れったくなって応援したりからかったりするくらい。自分の場合は…臨機応変な対応するんじゃないかな。でも、本命相手だと後手後手に回ってる様な気がする。そんな妄想。

→イギリス(アーサー・カークランド)
眉毛でいじられ、料理でいじられ(その癖紅茶うまい)ツンデレであり、魔法も有り、しかも元ヤンとかもう何でもありじゃんこの人。ブリタニアエンジェル(以下:ブリ天)とかパブってる辺りも良い。あと酔っ払ったアサ最強伝説。一緒に飲みたいぜ。栄光ある孤独(だったかな…)も寂しがり屋の癖して無理すんなよ!むしろ俺がいるじゃねぇか的な脳内補充うまいです。泣かせたくなるよね。チビリス、ウサリス…可愛い。誰かを好きになっても思いをストレートに言えないために誤解されることしばしばだけど、最終的には結ばれてほしいな。そんな妄想。

→南イタリア(ロヴィーノ・ヴァルカス)
強気ネガティブツンデレって響きが既にうまい。弟と比べて劣等感の塊な過去から今に致るまでが既にうまい。可愛いの一言に尽きる。危うくショタの道に走る所だった。弟は爺さんの才能持ってるけど俺には何もない、掃除とか家事出来ないし何も出来ないと思いながらもトーニョのためにと尽くす辺りが健気だよなぁ。ぜひとも俺の部屋も掃除してほしい。ロマ要らないとか言った奴出てこい、俺が殴ってやる、いや寧ろ半殺し覚悟な。ロマは、好きになってもストレートに言えないけど、デレる頻度はアサより多いから誤解はあまりないって感じ。そんな妄想。


※以下CP(リバなんで攻受関係ないっすよ)


→不憫ズ(プロイセン・イギリス)
二人で悪ノリとか萌える、なんだこいつら俺を殺す気か。ウサギとか猫とかになってじゃれあう絵も可愛いけど、猫なら同族嫌悪で引っかきあうのもあり。てか本当鼻血止まらん。お互い自分がいかに不憫じゃないかを言い争ってれば良いのに。そこから友情生まれればいいよ。でもきっとアサは弟に慕われてるギルを羨ましがってる。で、アドバイスをもらってると良い。酒乱組にならないのはギルが酒強いから。ザル通り越してる感じ。お互い独り身なせいで二人で飲むことが多いからアサがパブったらギルが出動して面倒見ればいい。そんな妄想。

→野菜組(プロイセン・スペイン)
トマトとジャガイモとかロマとヴェストとかの良さを主張しあえばいいじゃん!あとロマ来た当初に付き合いわからなくてギルにアドバイス求めてたら萌える。相手いじめた奴に容赦しない辺り似てるというかむしろ、二人一緒に制裁に行くと萌える。ギルは売られた喧嘩は買うタイプ、トーニョは売ってきた相手がしつこい(もしくは気に入らない)と買うタイプ。いつも身体のどこかしらに傷があるといい。で、それをお互い手当てしてればいい。そしてその傷は、お互いしか知らないと良いよ。そんな妄想。

→東西組(プロイセン・ドイツ)
この兄弟はお互いがブラコンでも、ギルがブラコンでヴェストがうざがっててもうまい。お互いブラコンは言うまでもなくだけど、ギルがブラコンの場合は、ヴェストはうざがってても怒っても最終的に兄さんさっきは…ってなれば良いよ。消失フラグたったギルとそれに対して泣くヴェストだけど、ギルが懇々と諭して最後は二人で笑いあってれば良いよ。そんな妄想。

→枢軸兄組(プロイセン・南イタリア)
どちらも消失フラグ持ちな二人。それゆえにシリアス行きがちだけど、明るいのもうまし。ロマがトーニョ宅に来た当初、ギルがロマにトーニョの事教えたりしてると良いよ。んで、そこら辺から兄組は仲良くなればいいじゃんか。あることないこと教えて怒られるギルとか、でもそんなギルを庇うロマとか。そんな妄想。

→酒乱組(イギリス・ドイツ)
お互いに愚痴を言い合う仲だと良い。で、次の日に後悔する二人。アサの愚痴の大半はアルとトーニョ。ヴェストの愚痴はきっと、ギルとフェリ。そんな妄想。

→ツンデレ組(イギリス・南イタリア)
この二人って実はすごく愛してほしいとか愛されたいとか願ってる二人だよね。アサとロマは出会い最悪だろうな。アサからしたらトーニョの子分で興味あるかもだけど、ロマからしたらトーニョ潰した奴だし。でも会議とかでアサ見る度に本当にこいつがトーニョ潰したのか?とかって興味持てばいい。そこから発展していけば良いじゃん!トーニョっていう障害(笑)超えて。

→親バカコンビ(イギリス・スペイン)
アサはアルの自慢、トーニョはロマの自慢を言い合えば良い(それを遠目にみて溜息をつくロマとアル)。酒はいると自慢話はエスカレートする。あと、海賊時代もかなりくる。アサが卑怯な手使って破ったバルチック。あの辺り根にもって、会う度に喧嘩もあり。あとアルが独立してすぐの、抜け殻みたいなアサを見たトーニョがアサの心配するとか。うまし。そんな妄想。

→ナイスドーバー(イギリス・フランス)
チビアサ時代に尽きる。周りから嫌われてたチビアサをフランが構ってあげれば良い。本家のあの話だけで萌える。フランの真似するアサとか、面倒見るフランとか、なにあれ。ひまさんGJ。成長したアサが、後々の戦争で、フランさえ殴れればっていうあの立ち回りもなんか良いよね。きっとツンの裏返し。好きな子程いじめたくなるアサ。そんな妄想。

→島国同盟(イギリス・日本)
鎖国時代の菊と同盟結びに来たアサ。どっちも独りぼっちだったから友達欲しかったとか、泣ける、寂しすぎる。今の時代のほのぼのとか、妖怪と話すアサに驚く菊とかも良いけど、帝国島国もいい。軍服かっこよす。そんな妄想。

→味覚音痴(イギリス・アメリカ)
この二人はもう、出会い~子育て~アル独立~現在、全部においてネタがあるよね。てかむしろこれってアルの成長日記になってもおかしくない。一番はアル独立の涙腺崩壊かな…そこから現在。やっと7月4日に寝込まなくなるアサと7月4日に祝いにこないアサにやきもきするアル可愛いよ。あと、酔っ払いアサの愚痴の大半はこの独立からでてるといい。そんな妄想。

→親分子分(スペイン・南イタリア)
ヘタリアキッカケCPだったかな…涙腺崩壊タグで、ロマの泣き顔から入ったような気がする。トーニョは最初ロマの事厄介な方押し付けられた!って思う。ロマのツンが発揮され、しかも何もかも出来ない役立たず。そんなロマの愚痴をフリードリヒ(オーストリア)にこぼすが、それを聞いたロマは家出。あいつもやっぱり弟の方が良かったんだ…とネガティブ発揮。考えがだんだん悪い方に走る。愛されたい愛してほしいと思っていたロマにとって、トーニョは希望だったんだけど、愚痴聞いてからは捨てられると考えて怖くて仕方ない。トーニョはロマが家出して初めてロマの気持ちを考える。で、慌ててロマを探す。(再会までのこの間、妄想うまい)。やっとこさ再会してお互い本音言い合って二人して大泣き。とか。あとはロマ語るトーニョとか変態なトーニョとか。ロマ溺愛なトーニョと、そんなトーニョにありがとうの気持ちをなかなか伝えられなくていじらしいロマ(トーニョはロマの気持ちわかってる)。もしくはいつまでも親分子分な気分でいる鈍感なトーニョと、好き何だけど気持ち伝えてこの関係が崩れる事を恐れて我慢してるロマ。お前らいっそ結婚しちまえよ!そんな妄想。

→くるん兄弟(南北イタリア)
ロマ兄ちゃん大好きなフェリが基本。ロマ←フェリの場合は、トーニョとロマの仲を応援するフェリとか、トーニョからロマ兄ちゃん奪う(黒)フェリとか。あれ、矛盾するけどいいや、つづけよう。とりあえず、ロマ兄ちゃん大好きなフェリがいればいんじゃね?ってことで。ロマ→フェリはヴェストに似てきた(ヴルストとかジャガイモとか食べる)フェリを見てヴェストに嫉妬してツンツンしたりすればいい。この兄弟は見てるだけで癒されるぜ…。そんな妄想。

→悪友トリオ(プロイセン・スペイン・フランス)
悪友トリオは何やっても許される。てかあの人達は何でも似合う。子育てしてるから親同士の会話も行けるし学園は三人でいれば怖いもの無し的な最強トリオ。まじであのトリオに突っ込みたい一緒にワイワイやりたい。てか仲間に入らせてくれ。そんな妄想。

→悪友眉毛(プロイセン・スペイン・フランス・イギリス)
悪友でアサをいじり倒せば良いよ。でもやりすぎるとアサがほあたぁ☆かパブはいりまーすってオチで誰か書いてくれないかなぁ。学園物のあの関係性とか萌える。まじ良いよ。アサ生徒会長とか素敵すぎる。そんな妄想。

→悪友子分(プロイセン・スペイン・フランス・南イタリア)
ロマいじろうとする二人をトーニョが守るとか、三人でロマからかうとか、変態トーニョから二人がロマを守るとか、とりあえずトーニョの立ち位置重要。あと、この四人だとロマが突っ込み。他は…その時によってかわる。どれが来てもうまい事には変わりない。そんな妄想。

→悪友眉毛子分(プロイセン・スペイン・フランス・イギリス・南イタリア)
悪友をとがめるアサとロマ。多分こいつら全員暴走したら、それぞれ弟達に殴られるんじゃ?て感じだけど…トーニョは止める人居ない気がする。でもそこが良い。とりあえずみんなでバカやってればいい。そんな妄想。

→悪友眉毛くるん兄弟(プロイセン・スペイン・フランス・イギリス・南北イタリア)
フェリとロマが遊んでるのをみてトーニョが変態化、それを止める悪友二人とその騒ぎに混ざりたいアサの話を書いてほしい。あとは、この6人軍服着せてはあはあしたい!(俺は既に手遅れ)。まあ、お前らいれば俺は幸せだコンチクショーめが!と叫びたい。そんな妄想。

…長々とすいませんでした。でもまだまだ語れる辺りが(ry

尻尾抱いて寝るカイジ

カイジ視点

冬朝。
肌寒く、コートを着ていても寒いこの季節、時間。
バイトから帰宅中の俺は、疲れていた。
いや、いつも疲れるんだが、特に今日はいろいろあって疲れた。
とにかく俺は、早く寝たかった。

「ただいま」

家に帰って最初に言う言葉。今まで言わなかったが…最近、居候ができたお陰で、癖になってしまった。

「お帰りカイジさん」
「とりあえず、風呂入りたい」
「もう出来てるよ」
「おう、さんきゅ」

居候には何かと気を使うが、逆に気を利かせてくれる事がある。
特に、今みたいな時は本当に助かる。
風呂に入って頭と身体を洗い、湯船で温まると眠気が押し寄せてきた。慌てて風呂から出ると、着替えて部屋に向かう。
日が昇り、世間ではこれから仕事が始まる時間だ。
しげるは俺の部屋にいた。一番日当たりが良いのが俺の部屋だからだ。最近知った事実だが、どうやらしげるはひなたぼっこが好きらしい。
(猫みたいに尻尾をパタパタさせてるときは機嫌が良いのだということも、つい最近知った)

「カイジさん、ご飯は?」
「あー…眠いから一寝入りしてからだな」

それにしても、しげるの尻尾は温かそうだ。ふさふさのもふもふ、抱き枕にしたら大層心地良く眠れるのだろう…と想像した。事実、しげるは丸まって寝ては自身の尻尾を抱いている。
試しに触ってみると、思った以上に心地良かった。

「カイジさん、尻尾」
「あー…温い…気持ちいい…」
(全く、この人は…)

そしていつの間にか、俺はしげるの尻尾を抱き枕にして眠っていた。



しげる視点

俺はそのまま別の尻尾をカイジさんにかける。
カイジさんは俺の尻尾が気に入ったと覚えた俺は、まさかこんな日が来るとは思ってなかった為、内心嬉しくてしょうがない。
今までは俺の尻尾は恐怖の象徴のようなもので、誰も触るどころか近寄ることさえしなかった。

そして、あの日以来、カイジさんは事あるごとに尻尾を触ってくる。
俺も触られるのが好きなので、放っているが…偶にくすぐったくて我慢できない時がある。

夢ネタ

戦場、まさにその真っ只中。目の前には、敵(だった者)が転がっている。
もう、何人殺してきただろうか…4桁を超えた辺りから数えるのを辞めてしまった。
この戦争が始まってから、早くも1年が過ぎた。キッカケは、私が無礼な振る舞いをしたと、彼が因縁をつけてきた事だった。勿論私は反論したが、聞き入れてくれるような者は敵国はおろか隣国にも居なかった。
目当ては、この肥沃な大地。喉から手が出るほど欲しかったのだろう。そのために彼は戦の理由を欲しがっていた。
戦を得意とする敵国に比べ、戦の経験が殆どない我々は、昔から隣国に助けてもらっていた。その代わりに隣国には様々な支援を行ってきたが…どうやら敵国には頭のキレる策士が居るらしい。

「朱希様、戦える者は我々の部隊のみになってしまった様です」
「そうか……仕方ない…か」

国民皆が戦える訳ではないし、戦えぬ者達が随分前から疲弊している事は知っていた。隣国からの支援も今回ばかりは皆無。このまま行けば、我々は皆殺しになる…残った国民を守るために私は、苦渋の決断を下すしか無かった。

「皆、すまない…今日で私という国は消える。だが、皆が生きている限り、皆の記憶の中で私という国は生き続けるのだ」

そしてこの日、私は降伏し、彼…ギルベルトの一部となったのだった。

±±±±±±±±±±±±±±±

ギルベルトに吸収されて間も無く、私には始めから味方が居なかった事実を知った。

「まさかこんなに巧く行くとはな、さすが俺様だぜ」
「いやいや、おにーさんの演技あってこそでしょ」
「親分やて頑張ったやないか!」
「わかってるよ!」
「ヴェー…それは良いから、早く分け前決めようよ」

彼等は私が力をつけぬよう、それでいて彼等が力をつけ、最終的に私を奪うという筋書きで物事を運んできたのだった。
絶望しか無かった。フランシスもアントーニョもフェリも総てが敵だった。私は国民に、顔向けが出来なかった。国民は、隣国に頼りきった我々が悪いのだと言ってくれたが、私は国だ。国民を護ることも出来ない私には、初めから国である資格など無かったのだ。

±±±±±±±±±±±±±±±

彼の支配下に入り何年か過ぎた頃。私に小さな変化が起きた。

「ねえ朱希、最近笑った?」
「素っ気ないよね…おにーさん悲しい」

笑う。泣く。必要ない感情だったから無くなった。勿論取り繕って笑みを浮かべることはあるし、彼等は私が戦争で負けたからそういう態度を取っているのだと思い込んでいるので、バレてはいない。
それから私に訪れた、味気ない日々。これは、仕組まれた戦争に気付けなかった私への、罰。せめて今生きている私の国民だけは守り抜きたい。彼等が生きているからこそ、私はまだ存在し、生きている。否、生かされているのだ。

±±±±±±±±±±±±±±±

「…最近ちゃんと寝てる?目の下のクマ酷いわよ」
「ああ、夢見が悪くて…。寝る時間は書類整理に充ててるんだ」

エリザは鋭い。巧く隠してもいつの間にかバレている。それならばいっそ、隠さない方が楽だと悟った。

「そう…」
「最後に寝たの、何時だったかな…戦争後すぐは寝れたけど、2、3年くらい寝てないかも」
「ッ…」
「不眠症ってやつなのかな?よくわかんないけど眠れないんだよね」

苦笑(した振りを)しながら言った言葉に何かを言いかけて、口を噤んだ。
エリザが何を言いたかったのかは何となく察しがついたけど、あえて知らない振りをした。

±±±±±±±±±±±±±±±

手が透けて見える。そういえば、最後の国民が死んでから、もう一年…そろそろ潮時か。私が消えようが悲しむ奴は誰もいない。国民は居なくなったし、知り合いが悲しむとは到底思えない。
キリの良いところで書類を切り上げる。ギルベルトはルートに付きっきりだし、他の奴も自国にいるはずだ。今なら問題ない。
コートを羽織り、さてどこに行こうかと悩んだ末、バッシュのもとに向かうことにした。永世中立国の彼は約束や秘密も守ってくれる。味方にはならないが、敵にもならない。それだけで私には十分だった。
消える私に準備は必要ない。パスポートだけを持つとバッシュに会いに行った。時間が時間だったためか凄く不機嫌だったが、手を見せたらわかってくれた。

「ちょっと迷惑かけるけど、構わないかな?」
「…入るのである」

何故か家に入るよう促すと、お茶の準備をし始めた。私はもうすぐ消えるのに。

「最期くらい、ゆっくり話したい」
「…何故?」
「ある種の感情を無くすことについて興味がある」
「驚いた。気付いていたの…いつから?」
「ここ数年、お前から違和感を感じてたから観察していた。安心しろ、我輩以外誰も気付いてない」
「聞きたいなら話してあげる。但しこれは私の勝手な偏見だから、正論じゃないことを念頭にね」

もしかしたら私は、誰かに話したかったのかもしれない。聞いて欲しかったのかもしれない。

「そうね、感情は生きていく上で邪魔なだけ。敵しか居ないのだから、泣いたって事態が好転するわけでもないし。泣く暇があるならどうするか考えた方がよっぽどマシ。味方なんて所詮は敵なんだから仲良くするなんて反吐が出る。笑いあう、泣きあうなんてものは、幻想にすぎないんだし、内心どう思ってるか…だなんて、本人にしかわからないんだから。泣きあってる裏で相手は喜んでるかもしれないでしょ?だから感情なんて無くなって、かえって気が楽になったのよ?その点彼等には感謝してるわ」

何となく思っていた事を話す。バッシュは、私が話してる間微動だにしなかったが、話が終わると先程自分で入れたお茶を飲んだ。

「こんなものかな。掻い摘んで話したけど…そろそろ良い?時間がなくなってきたみたい」
「それなら、我輩が案内する。話の礼だと思って有り難く受け取るのである」
「じゃあ、お言葉に甘えて」

チャーター便を使って案内されたのは、誰もいない高原だった。雪が振り積もっていてとても綺麗だと思った。コートは邪魔になったので傍らに投げ捨てた。

「私には勿体無い気がするわ」
「そんな事無いのである」
「そう、ありがとう。それじゃさよなら」

振り向こうとしたけれど、意識が途切れてしまった。

±±±±±±±±±±±±±±±

彼女…アキが居なくなった瞬間、他の国は訳もなく泣いた。彼女は知らなかったのだ、自分の様な者が居なくなった事を彼等が共有出来ることを。

バッシュは彼女が残したコートを抱えて自宅へ戻った。やがて来るであろう彼等に渡すために。
        
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